どんな本?
小学六年生の鈴木さえは、ポートボールが好きで、友人にも囲まれている。そんな毎日に、心と身体がうまくかみ合わないような違和感が入り込む。将来への疑問も抱えながら過ごす少女を描いた、第42回講談社児童文学新人賞受賞作。
この本への入り口は、成長を大きな達成だけで捉えないこと。楽しいはずの時間にも迷いが混ざるとき、さえは何を感じるのか。大人の視点からすぐに説明を与えるより、その瞬間の本人には分からないことがある、と立ち止まりながら読むとよさそうだ。
こんな関心がある人へ
- 思春期の細かな感覚を読みたい
- 子どもの視点で成長を考えたい
この本を読む、3つの視点
心と身体のずれ
自分の変化に気づくことと、その変化を説明できることは別かもしれない。さえが感じる違和感を、周囲に見える振る舞いと本人の内側の感覚に分けて追うと、年齢だけでは言えない成長を考えられる。
友だちがいても残る気持ち
友人が多いことや好きな活動があることは、悩みがないことを意味するだろうか。ポートボールを楽しむ日々を手がかりに、人と一緒にいる時間と一人で抱える気持ちの関係を見ていきたい。
未来の自分への問い
大人になる自分への期待に注目してみよう。職業名や目立つ成果を先に当てはめず、さえが未来に何を求めているのかを考えると、読者自身の「成長した」という基準も見直せる。
読み終えたら、考えてみたいこと
正解を探すためではなく、自分の読み方を見つけるために。
- さえの違和感のうち、言葉より先に身体や行動に表れたと感じるものは?
- 十二歳の自分に将来を説明するとしたら、職業以外に何を伝えたい?
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